昨日は、「質問ゾーンを作ろう」という出鱈目な提案を書きましたが、今日はもっと真面目なことを投稿しましょう。数年前から作文パトナーが出来たらいいな、と自発的に思い始めたけれども、パトナーになってくれそうな相手もいなかったし、募集する方法もなかったので、実行を諦めました。
ところが、この間作文パトナーのことを思い出し、自分の考えをまとめる為、文章にしてみました。実は、それはこのブログを始める直前で、作文が書きたいという気持ちと、当ブログの動機はなんとなく似たようなものではないかと思います。
これ以降はその時に書いた文章です。私にとってまだまだ不思議な「である系」を使ってみたので、ちょっと変なところもあるだろうが、もしこのページを見て下さる方々がご自分の作文パトナーを見つけ、作文交換ができれば、是非その経験上の感想を聞かせて下さい。私も体験ができた場合、また投稿します。
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大学の頃、日本語を「あいうえお」から習い始めたが、十何年後の今でも、やはりまだまだ勉強中なのです。そして、日本語を使うチャンスの少ないアメリカに住み着いており、言語的な刺激に乏しいその環境への対策として、日本語の各能力を鍛える勉強法を少しずつ自分で探してこないと上達の期待は全くできないのである。それで、思いついた作戦の一つは作文パトナーと文章を直し合うことである。まだ体験したことがないので、作文パトナーとは何なの?と聞かれても、私自身もよく分からないのだが、考え付いた方法は以下の通りなのである。
1.習いたい言語を教え合えるような相手とチームを組む。外国語を教える経験等は全く必要ありません。自分が相手の習いたい言語のネイティブスピーカーであり、相手が自分の習いたい言語のネイティブスピーカーであれば充分宜しいのである。
2.作文の話題を二人で決める。最初の何回かは映画、音楽、食事、自然、思い出、等という書きやすいテーマが快適であろう。そのあと、お互いの興味によって、いろんな方向に進んでもよかろう。例えば、社会問題、文学感想、カントの哲学はどこで間違っているのか、パスタを生み出した国は中国なのか或いはイタリアなのか、云々と話題が広がっていくのであろう。
3.話題が決まったら、自分のペースで作文を書き、パトナーに送る。手で書こうと言いたいけれど、パトナーに送るのにメールが便利だし、私の場合は、下手な字で相手を困らせたくないという心配もある。直すのは手間がかからないように、ワープロの行間を広くしてから書こう。
4.パトナーの作文をもらったら、それを読み、プリントし、手で直してあげる。直し方はパトナーなの能力レベルにもよるけれど、単なる間違いだけではなく、不自然なところ、意味がはっきりしないところ、文章のスタイルが揺れるところ、慣用句を入れても良いところ等と、文章の粗いところもマークし、可能であれば直してあげよう。分かっていなさそうなルールや原則も短く説明する。パトナーの気持ちを悪くしたくないと遠慮するのは当然だが、言語能力の発達が目標だと忘れず、素直な意見をなるべく優しく書いてあげれば良いのであろう。
5.喫茶店でも待ち合わせ、お茶をしながら、直された作文を交換し、作文のどの部分を何のために調整したのか、説明し合う。できれば、ゆっくりと文法ポイントや成句の使い方を説明したいけれど、説明できない場合は、「とにかく、こんな風に書けばいいんだ」と伝えればよいのである。勿論、内容についての感想も好きなだけ話せるし、お互いに語学の難しさを嘆いたり笑ったりしても良い。最後に次回の話題を二人で決める。
こういうやりとりを繰り返していけば、文章力がお互いに高まるのではなかと思える。頻度は自由だが、月に一回か二回という程度なら、無理にならないのであろう。二人とも暇が取れれば、一週間に三回というような短期特訓もできる。長続きするのが理想だが、二人組みの一人が忙しくなったり、やる気を失せたりすれば、パトナーの付き合いを一時的に休止してもいいし、終わりにでもしてもいいのである。つまり、作文を書き、それを直してもらうことは、学習の一種とはいえ、楽しくないとやる価値がないので、ストレスの元にならないように、無理しないほうがよいのである。それから、一人だけの作文パトナーに従うより、色々な相手の文章躾けを受けた方が良かろう。それで視野を広くすれば、パトナー達の個人的な好みと一般的な作法の区別が段々明らかになってくるのであろう。
作文パトナーになる為の資格は、何一つもありません。相手が習いたい言語のネイティブスピーカーであれば、必要なのは、パトナーの作文を丁寧に直してあげたいという気持ちと、自分の作文を素直に直して貰いたいという気持ちしかありません。
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