2008年5月22日木曜日

一人ポンチ

先週末から、家内は娘を連れて日本の実家へ行っています。七五三の写真撮影が第一の目的ですが、親戚と遊んだり、美味しいものを食べたりできるので、旅人の二人は大喜びではしゃいでいます。

家内が里帰りする度に、私は一緒にお邪魔することが多いけれども、今回は家に残ることになりました。もちろん、行きたいは行きたいのだが、つい去年日本に行ってきましたし、娘は片親と二人で旅行できる歳になっているので、一人分の旅費を節約しようと決めました。

それで、二週間の間、私は一人ポンチになるわけです。いや、分かっていますよ。「一人ポンチ」は正確な日本語ではありませんね。普段「一人ぼっち」あるいは、「一人ぽっち」と言いますが、家内の実家では「一人ポンチ」というバリエーションが発明され、一時的にみんなの間で流行っていました。

「あら、君がいたか。何してんの?」
「読書だよ。一人ポンチだもん」

という調子で使う表現です。ポンチは英語のpunchという意味で使っているので、ボクサーのように空中を素早くパンチする仕草を付け加えるのがポイントです。

家内の実家で一人ポンチブームがとっくに終わりましたが、未だに私が自然に口にするのは一人ぽっちではなく、一人ポンチなのです。人前でうっかり使って大恥をかいたこともあります。

ともかく、一人ポンチの二週間、どうしようかな、と悩んでいるところです。

中年男が独身状態に戻ると、どんなことをするのでしょう。いろいろなイメージがつきますよね。一つは、野蛮化です。掃除をせず、ヒゲさえ剃らず、原始人らしくパンツ一丁で家の中を歩き回り、牛乳をコップに入ないでカートンから直接ゴクゴク飲む、という暮らしぶりです。

この野蛮スタイルの魅力を感じないでもないのですが、玄関のドアには大きな窓があるので、パンツ姿で歩き回るのは止めた方がよさそうです。それに牛乳をめったに飲みません。紅茶なら毎日飲みますが、ティーポットから直接という飲み方は、危険だけではなく、雰囲気をすっかり壊してしまうのでしょう。野蛮化するのに紅茶を捨てなきゃいけないのなら、ごめんです。

しかし、正反対のイメージはどうなのでしょう。文明を捨てないで、むしろ遊びまくることです。毎晩飲みに行き、夜明けごろに足を引きずって帰宅。ふむ、これも合わないよな、としか思えません。残念ながら、私は派手な遊びの似合わない人間なのです。例えば、高級バーにラマを連れて行ったら、どうですか。ラマは立派な動物であり、高級バーも価値のある場所ですが、その二つを組み合わせるとどうも違和感を感じるでしょう。私はラマではないけれど、高級バーに入るとラマ・レベルの違和感を覚えてしまいます。

しかたなく、仕事と原稿作成に集中しようか、という苦い結論にたどり着きました。そういえば、物置の整理も待っています。

やはり、この二週間を利用して、仕事と掃除をしましょう。無論、一人ポンチという仕草を時々しながら。

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直した原稿


先週末から、家内は娘を連れて日本の実家へ行っています。七五三の写真撮影が第一の目的ですが、親戚と遊んだり、美味しいものを食べたりできるので、旅人の二人は大喜びではしゃいでいます。

家内が里帰りする度に、私も一緒に付いて行くことが多いのですが、今回は家に残ることになりました。もちろん、行きたいは行きたいですが、去年も日本に行ってきましたし、娘はと二人で旅行できる歳になっているので、一人分の旅費を節約しようと決めました。

それで、二週間の間、私は一人ポンチになるわけです。いや、分かっていますよ。「一人ポンチ」は正確な日本語ではありませんね。普通「一人ぼっち」あるいは、「一人ぽっち」と言いますが、家内の実家では「一人ポンチ」というバリエーションが発明され、一時的にみんなの間で流行っていました。

「あら、君がいたか。何してんの?」
「読書だよ。一人ポンチだもん」

という調子で使う表現ですが、空中を素早くポンチする仕草を付け加えるのがポイントです。

家内の実家で一人ポンチブームがとっくに終わりましたが、未だに私が自然に口にするのは一人ぽっちではなく、一人ポンチなのです。人前でうっかり使って大恥をかいたこともあります。

ともかく、一人ポンチの二週間、どうしようかな、と悩んでいるところです。

中年男が独身状態に戻ると、どんなことをするのでしょう。いろいろなイメージが浮かびますよね。一つは、野蛮化です。掃除をせず、ヒゲさえ剃らず、原始人らしくパンツ一丁で家の中を歩き回り、牛乳をコップに入ないでカートンから直接ゴクゴク飲む、という暮らしぶりです。

この野蛮スタイルの魅力を感じないでもないのですが、玄関のドアには大きな窓があるので、パンツ姿で歩き回るのは止めた方がよさそうです。それに牛乳をめったに飲みません。紅茶なら毎日飲みますが、ティーポットから直接という飲み方は、危険だけではなく、雰囲気をすっかり壊してしまうでしょう。野蛮化するのに紅茶を捨てなきゃいけないのなら、ごめんです。

しかし、正反対のイメージどうでしょう。文明を捨てないで、むしろ遊びまくることです。毎晩飲みに行き、夜明けごろに足を引きずって帰宅。ふむ、これも合わないよな、としか思えません。残念ながら、私は派手な遊びの似合わない人間なのです。例えば、高級バーにラマを連れて行ったら、どうでしょう。ラマは立派な動物であり、高級バーも価値のある場所ですが違和感を感じるでしょう。私はラマではないけれど、高級バーに入るとラマ・レベルの場違いなのです

しかたなく、仕事と原稿作成に集中しようか、という苦しい結論にたどり着きました。そういえば、物置の整理も私を待っています。

やはり、この二週間を利用して、仕事と掃除をしましょう。無論、一人ポンチという仕草を時々しながら。

2008年4月24日木曜日

カンザス大学優勝

大分遅れましたが、大学バスケのトーナメントが終わりました。この間の投稿にも書きましたが、64チームが参加するトーナメントで、その64のチームが4つのグループに分けられ、第1シードから第16シードから地位をつけられます。今年のトーナメントで、カンザス大学、メンフィス大学、UCLA大学、ノースカロライナ大学という第1シードが4つともベストフォーまで進みました。これは当然に聞こえるかもしれませんが、実は、前例のない、オドロキの結果でした。つまり、70年代から毎年、第1シードが少なくとも1つベストフォーの前につまづいていたのです。そして、決勝戦でカンザス大学が大きな逆転でメンフィス大学に勝ちました。

しかしながら、今年の結果が例外だといっても、第1シードばかりの、しかも有名大学ばかりのベストフォーが少し残念でした。このトーナメントの魅力は、あまり聞かない大学、いわゆる「バスケット貴族」に属しない大学の思いがけない成功です。

ですから、私にとって今年のトーナメントの面白いところは、ベストフォーだというより、デビッドソン大学とそのステファン・カリー選手でした。カリー選手は、ヒゲがまだ生えない高校一年生のように見えるけれども、実は驚くほどタフでクールな選手です。そして、第10シードのデビッドソン大学は、カリー選手の活躍で、第7シードのゴンザガ大学、だい2シードのジョージタウン大学、第3シードのウイスコンシン大学を敗れました。これらの試合で、カリー選手は、40点、30点、33点を入れました。その次の相手は、カンザス大学でしたが、デビッドソン大学はたったの2点で負け、カリー選手は25点を入れました。この著しい成功で、デビッドソン大学は今年のシンデレラ、と名づけられました。

大学バスケのシーズンが終わったばかりなのですが、それでも来年度のシーズンが始まる11月が待ち遠しいです。
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直した原稿

大分報告が遅くなりましたが、大学バスケのトーナメントが終わりました。この間の投稿にも書きましたが、64チームが参加するトーナメントで、その64のチームが4つのグループに分けられ、第1シードから第16シードまでの順位をつけられます。今年のトーナメントで、カンザス大学、メンフィス大学、UCLA大学、ノースカロライナ大学という第1シードのチームが4つともベストフォーまで進みました。これは当然に聞こえるかもしれませんが、実は、前例のない、オドロキの結果でした。つまり、70年代から毎年、第1シードのチームが少なくとも1つベストフォーの前つまづいていたのです。そして、決勝戦でカンザス大学が大逆転でメンフィス大学に勝ちました。
しかしながら、今年の結果は例外的なものだとしても第1シードばかりの、しかも有名大学ばかりのベストフォーが少し残念でした。このトーナメントの魅力は、あまり聞かない大学、いわゆる「バスケット貴族」に属しない大学の思いがけない活躍です。
ですから、私にとって今年のトーナメントの面白いところは、ベストフォーではなく、デビッドソン大学とそのステファン・カリー選手でした。カリー選手は、ヒゲがまだ生えない高校一年生のように見えるけれども、実は驚くほどタフでクールな選手です。そして、第10シードのデビッドソン大学は、カリー選手の活躍で、第7シードのゴンザガ大学、2シードのジョージタウン大学、第3シードのウイスコンシン大学を敗ました。これらの試合で、カリー選手は、40点、30点、33点を入れました。その次の相手は、カンザス大学でした。カリー選手は25点を入れましたが、デビッドソン大学はわずか2点差で負けました。この大活躍で、デビッドソン大学は今年のシンデレラ、と名づけられました。

大学バスケのシーズン終わったばかりなのですが、それでも来年度のシーズンが始まる11月が待ち遠しいです。

2008年4月4日金曜日

楽しみながら学べるサイト

この間、おのまとぺ夫人という方がとぼとぼ日本語を訪れて下さいました。後で夫人の「Mrs. Onomatopoeia’s Diary」というブログを拝見したら、持ち主の名前通り、擬態語・擬声語を紹介するブログでした。日本語学習に非常に役立つサイトだと思います。

何故かと言いますと、こういう言葉は和英辞典に載っているものの、例文がなかったり、短か過ぎたりすることが多いからです。つまり、辞典を引いてみても、オノマトペの使い方がピンとこないことは少なくありません。そして、英語にはこういう言葉はあまりないので、自分の文章に擬態語を加えたくても、英和辞典で見つけることは難しいです。

それで、夫人のブログは擬態語・擬声語を習得することを大いに役立つと思います。短い例文を一つか二つ挙げる辞典に引き換え、夫人は、週に一回エッセイをお書きになり、その中にオノマトペを一つ使われます。どのエッセイも読みやすくて、面白いので、その文脈からオノマトペの自然な使い方が身につきそうですが、ページの下に、定義文が添えてあります。

これだけでも価値が充分あるのですが、エッセイの一部には、中平順子さんのイラストがついており、おかげでオノマトペの意味が更に感じ取りやすくなります。ただ、ジョリジョリ」のイラストを拝見したら、「なんで白猫に黒いワキゲが生えるんだろう?」という疑問に直面しました。(ここでもう一つ疑問が生じるのです。もし、中平さんはシマウマを描かれたら、ワキゲは何色なんでしょうかね。)

そして、日本語をなが~く勉強してきた私は、「とぼとぼ」のイラストを見て、「そうなんだ!そういう感じだよ!」とつい叫びそうになりました。

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直した原稿

この間、おのまとぺ夫人という方がとぼとぼ日本語を訪れて下さいました。後で夫人の「Mrs. Onomatopoeia’s Diary」というブログを拝見したら、持ち主の名前通り、擬態語・擬声語を紹介するブログでした。日本語学習に非常に役立つサイトだと思います。

何故かと言いますと、こういう言葉は和英辞典に載っているものの、例文がなかったり、短すぎたりすることが多いからです。つまり、辞典を引いてみても、オノマトペの使い方がピンとこないこと少なくありません。そして、英語にはこういう言葉はあまりないので、自分の文章に擬態語を加えたくても、英和辞典で見つけることは難しいのです。

それで、夫人のブログは擬態語・擬声語を習得するために大いに役立つと思います。短い例文を一つか二つ挙げる辞典にひきかえそこでは毎週違うオノマトペを使ったエッセイがアップされています。どのエッセイも読みやすくて、面白いので、その文脈からオノマトペの自然な使い方が身につくばかりでなく、ページの下にはちゃんとその語義が添えてあります。

これだけでも価値が充分あるのですが、エッセイの一部には、中平順子さんのイラストがついており、おかげでオノマトペの意味が更に感じ取りやすくなります。ただ、「ジョリジョリ」のイラストを拝見したとき、「なんで白猫に黒いワキゲが生えるんだろう?」という疑問に直面しました。(ここでもう一つ疑問が生じるのです。もし、中平さんはシマウマを描かれたら、ワキゲは何色なんでしょうかね。)

そして、日本語をなが~く勉強してきた私は、「とぼとぼ」のイラストを見て、「そうなんだ!そういう感じだよ!」とつい叫びそうになりました。

2008年3月28日金曜日

食後の会話

  三月上旬の話です。日本人補習授業校の学年の終わりが近付き、今度の土曜日に終業式が行われます。
  何故か、チビは一年生の代表として終業式で挨拶をする、と自ら進んで約束したのです。
  はっきりいって、これはあまりチビらしくありません。自分の日本語能力に軽い劣等感を持つチビは、普段は人前で話すのが苦手ですけれど、この約束をした前に、二週間後の終業式は遠い将来のように感じたかもしれません。
  ともあれ、今は家族三人で食後の消化タイムを兼ねた挨拶練習をしています。挨拶原稿を朗読するチビは、「学習発表会」という難しい言葉で何回かつまづき、少々落胆していたところです。以下の会話は英語も交じっていたけれど、肝心なところは日本語でした。
  「あん、これはできないよ~」とチビが涙ぐむ。
  「大丈夫だよ。もう少し練習すればできるようになるよ」とママが励まそうとする。
  ところが、チビが反論するだけ。「そんなことないよ。これをやる、と言わない方がよかった。ね、もしこの挨拶をしなかったら、どうなるの?」チビは約束を破ることを考えているらしい。
  驚いたパパが「恥をかく!」と口を挟み、説得にかかる。「でもな、もう約束しただろう。今さえ辞めっちゃいけないよ。しかもママのいう通りだよ。パパも日本語を勉強していた頃、発音しにくい言葉が沢山あったけどね、練習を重ねたら、少しずつできるようになったし、君の場合も同じだよ」
  「そうなの?よかったね、パパ。でも、やっぱりハジをかくことにする。鉛筆持ってくるね」
  「え?鉛筆を?どういうこと?」
  「だって、辞めたければ、ハジという書類を書かなくちゃいけないって言ったじゃない?」
  「ハジを・・・あ、恥をかく、のことだね。それはな、恥ずかしくなる、という意味だよ。」
  「そうか。やらなくちゃいけないのか・・・」
  「そうだよ。恥っていうのは、恥ずかしく感じることって意味で、かくは、作文を書く、というカクなんじゃなくて・・・なんだろう。よく分かんないけど、汗をかく、という表現もあって、それと一緒かな。ね、ママ、恥は、汗のように毛穴から染み出るって日本人が考えているの?」
  「そ、そんな・・・ 恥って・・・。とにかく、チビは、~しない方がよかった、という文法が使えるようになったわね。上達したよ!」
  チビは「そうかな・・・」と頭をかき、パパはその動詞の奥深さを無言のままで考え続ける。
  ちなみに、パパのアヤシイ日本語解説に悪影響を受けずに、チビは練習を続け、終業式で学級代表の挨拶を大きな声ですることが出来ました。

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直した原稿

  三月上旬の話です。日本人補習授業校の学年の終わりが近付き、今度の土曜日に終業式が行われる、というある日の出来事です
  何故か、チビは一年生の代表として終業式で挨拶をする、と自ら進んで約束したのです。
  はっきりいって、これはあまりチビらしくありません。自分の日本語能力にいくらか劣等感を持つチビは、普段は人前で話すのが苦手ですけれど、この約束をした時には、二週間後の終業式は遠い未来のように感じていたかもしれません。
  ともあれ、今は家族三人で食後の消化タイムを兼ねた挨拶練習をしています。挨拶原稿を朗読するチビは、「学習発表会」という難しい言葉で何回かつまづき、少々落胆していところです。以下の会話は英語も交じっていたけれど、肝心なところは日本語でした。
  「あん、これはできないよ~」とチビが涙ぐむ。
  「大丈夫だよ。もう少し練習すればできるようになるよ」とママが励まそうとする。
  ところが、チビ反論するだけ。「そんなことないよ。これをやる、と言わない方がよかった。ね、もしこの挨拶をしなかったら、どうなるの?」チビは約束を破ることを考えているらしい。
  驚いたパパが「恥をかく!」と口を挟み、説得にかかる。「でもな、もう約束しただろう。今さら辞めちゃいけないよ。しかもママのいう通りだよ。パパも日本語を勉強していた頃、発音しにくい言葉が沢山あったけどね、練習を重ねたら、少しずつできるようになったし、君の場合も同じだよ」
  「そうなの?よかったね、パパ。でも、やっぱりハジをかくことにする。鉛筆持ってくるね」
  「え?鉛筆を?どういうこと?」
  「だって、辞めたければ、ハジという書類を書かなくちゃいけないって言ったじゃない?」
  「ハジを・・・あ、恥をかく、のことだね。それはな、恥ずかしくなる、という意味だよ。」
  「そうか。やらなくちゃいけないのか・・・」
  「そうだよ。恥っていうのは、恥ずかしく感じることって意味で、かくは、作文を書く、というカクなんじゃなくて・・・なんだろう。よく分かんないけど、汗をかく、という表現もあって、それと一緒かな。ね、ママ、恥は、汗のように毛穴から染み出るって日本人が考えているの?」
  「そ、そんな・・・ 恥って・・・。とにかく、チビは、~しない方がよかった、という文法が使えるようになったわね。上達したよ!」
  チビは「そうかな・・・」と頭をかき、パパはその動詞の奥深さを無言のままで考え続ける。
  ちなみに、パパのアヤシイ日本語解説に悪影響を受けずに、チビは練習を続け、終業式で学級代表の挨拶を大きな声ですることが出来ました。

2008年3月27日木曜日

投稿方法を変えてみました

知り合いの日本人の方が「とぼとぼ日本語」の原稿を投稿前に一度みてくれることになりました。それで、私が書いた原稿と直して頂いた原稿を一緒に載せることにしました。そうすれば、日本人の方にも、日本語を勉強中の方にも、私の日本語の間違いやその直し方がよく分かると思います。(勿論、内容が分かりやすくなることも目標の一つです。)

このようにやってみますが、それでも多分、直し方が間違っていたり、間違いに気付かなかったり、そして、もっと良い直し方もきっとあると思います。勿論、日本語についてだけでなく、内容についても、皆様からいろいろなコメントを依然としてお待ちしていますので、どうぞよろしくお願いします。

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直した原稿

知り合いの日本人の方が「とぼとぼ日本語」の原稿を投稿前に一度みてくれることになりました。それで、私が書いた原稿と直して頂いた原稿を一緒に載せることにしました。そうすれば、日本人の方にも、日本語を勉強中の方にも、私の日本語の間違いやその直し方がよく分かると思います。(勿論、内容が分かりやすくなることも目標の一つです。)

このようにやってみますが、それでも多分、直し方が間違っていたり、間違いに気付かなかったり、そして、もっと良い直し方もきっとあると思います。勿論、日本語についてだけでなく、内容についても、皆様からいろいろなコメントを今まで同様お待ちしていますので、どうぞよろしくお願いします。

2008年3月18日火曜日

朱を入れる

このブログを訪問して下さる方々に沢山の間違いを直して頂いています。そして、そのアドバイスによって、投稿の訂正を行ってきましたが、その時に必ず一抹の不安を感じてしまいます。コメントにその記録が残りますが、パッと読む方はそれに気付かず、「とぼは完璧な日本語を書いた」と誤解する恐れがあるからです。

ですから、自分の日本語の弱点を明確にする為、これから、直して頂いた日本語を朱色にします。それで、私の間違いが分かりやすくなるし、言語習得に関心のある方にも面白いかもしれません。

皆様、これからも宜しくお願い致します。

ビッグダンスへ行きませんか?

前回に続きまして、大学バスケのトーナメントを紹介させて頂きます。このトーナメントは「三月狂乱」とも呼ばれていますが、相手が多いことと、誰と組み合わせられるかな、という緊張感がすることから、「ビッグダンス」という名前も流行っています。一昨日、そのビッグダンスへの招待状は配られました。

ビッグダンスには65チームが参加しますが、招待状を得る方法は二つあります。一つは、大学連盟トーナメントで優勝することです。アメリカの大学バスケの最も高いレベルには、連盟は31ほどありますので、それぞれのトーナメントで優勝するチームは自動的にビッグダンスに入ります。残りの34チームは、コミッティーに選ばれ、同じコミッティーは65チームの強さを評価し、1から65まで位置づけます。

会社にしろ、政府にしろ、コミッティーの判断がよく問われるけれども、スポーツになりますとなおさらです。何故かと言いますと、チームを評価する方法が定まっていないからです。今年も、アリゾナ大学は招待されたのに、アリゾナ大学を二回ほど倒したアリゾナステート大学は、魔法使いに助けてもらえないシンデレラのように、寂しく家に残ることになり、「こりゃ不公平だ!」と「ワケがあるんだ!」という論争が続いています。こういう論争を聞いたり、参加したりするのは、三月狂乱の楽しみの一つだと言えます。

65チームは中途半端な数なので、64チームに絞るために、一番弱いとされる二つのチームは今夜試合をします。そして、64チームは4つのグループに分けられ、一番強いチームは1シードとなり、一番弱いのは16シードになります。シードの与え方にも論争が盛んになりますが、それにも関わらず木曜日から狂乱が開始され、多くのアメリカ人はテレビに飛び付くのです。木曜、金曜に開かれる32の試合で、64チームが32に絞られ、土曜、日曜に開かれる16の試合で「スウィートシックスティーン」と呼ばれる最後の16が決められます。

試合は正午から零時までテレビで流れ、こんな大きな数だと、驚きの結果が毎年出てきます。そして、有名大学を倒し、スウィートシックスティーンまで生き残るチビ大学は全国の関心と応援を集めます。今年の狂乱はどうなるのか、と夢中になる会社員は、欠勤することも多いけれど、出勤しても、仕事をせずに同僚とバスケの話をしたり、コンピューターで試合の様子を見たりすることがよくあります。実は、アメリカの経済はもう既に悪くなっていますが、3月バスケに夢中になる社員は、更に17億ドルほどの被害を及ぼすと思われるのです。生産性が低くなるのは事実だと思いますが、こういう数字を出す研究者はピザ配達の売り上げ向上を忘れているのではないか、と私は疑っています。

そして、来週同じようなスケジュールで16チームが「ファイナル・フォー」という4つになり、再来週の二つの試合で全国優勝するチームが決定されます。三週間に渡るこのトーナメントは、アメリカのスポーツの頂点だと、私は思っています。日本の高校野球に似ているところがあるかもしれません。

なんですって?とぼは仕事をサボりますか?いや、そういう人間ではないです。仕事がある限り仕事に集中しますが、仕事の合間にバスケのことを考えることは事実です。そのくらいなら、いいんじゃありませんか?アメリカ人ってやっぱり怠け者なのかな?

ちなみに、ビッグダンスの結果を予想することは、人気のあるギャンブルです。私はお金を賭けませんが、毎年やっています。見慣れない大学の名前が多いかと思うのですが、やってみたい方はこちらへどうぞ。3週間後に結果を発表します。

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直された投稿

前回に続きまして、大学バスケのトーナメントを紹介させて頂きます。このトーナメントは「三月狂乱」とも呼ばれていますが、相手が多いことと、誰と組み合わせられるかな、という緊張感があることから、「ビッグダンス」という名前もよく聞きます。一昨日、そのビッグダンスへの招待状配られました。

ビッグダンスには65チームが参加しますが、招待状を得る方法は二つあります。一つは、大学連盟トーナメントで優勝することです。アメリカの大学バスケの最も高いレベルには、連盟31ありますので、それぞれのトーナメントで優勝したチームは自動的にビッグダンスに入ります。残りの34チームは、コミッティーに選ばれ、そのコミッティーは65チームの強さを評価し、1から65まで位置づけます。

会社にしろ、政府にしろ、コミッティーの判断がよく問われるけれども、スポーツになりますとなおさらです。何故かと言いますと、チームを評価する方法が定まっていないからです。今年も、アリゾナ大学は招待されたのに、アリゾナ大学を二回ほど破ったアリゾナステート大学は、魔法使いに助けてもらえないシンデレラのように、寂しく家に残ることになり、「こりゃ不公平だ!」「ワケがあるんだ!」などという論争が続いています。こういう論争を聞いたり、参加したりするの、三月狂乱の楽しみの一つだと言えます。

65チームというのは中途半端な数なので、64チームに絞るために、一番弱いとされる二つのチーム今夜試合をします。そして、64チームは4つのグループに分けられ、一番強いチームは第1シードとなり、一番弱いのは16シードになります。シードの振り分け方でも論争が盛んになりますが、それにも関わらず木曜日から狂乱が開始され、多くのアメリカ人はテレビに飛び付くのです。木曜、金曜に開かれる32の試合で、64チームが32に絞られ、土曜、日曜に開かれる16の試合で「スウィートシックスティーン」と呼ばれる最後の16チームが決められます。

試合は正午から零時までテレビで流れ、こんな大きな数だと、驚きの結果が毎年出てきます。そして、有名大学を倒し、スウィートシックスティーンまで生き残るチビ大学は全国の関心と応援を集めます。今年の狂乱はどうなるのか、と夢中になる会社員は、欠勤することも多いけれど、出勤しても、仕事をせずに同僚とバスケの話をしたり、コンピューターで試合の様子を見たりすることがよくあります。実は、アメリカの経済はもう既に悪くなっていますが、3月バスケに夢中になる社員は、更に17億ドルほどの被害を及ぼすと思われるのです。生産性が低くなるのは事実だと思いますが、こういう数字を出す研究者はピザ配達の売り上げ向上を忘れているのではないか、と私は疑っています。

そして、来週同じようなスケジュールで16チームが「ファイナル・フォー」という4つになり、再来週の二つの試合で全国優勝するチームが決定されます。三週間に渡るこのトーナメントは、アメリカのスポーツの頂点だと、私は思っています。日本の高校野球に似ているところがあるかもしれません。

なんですって?とぼは仕事をサボりますか?いや、そういう人間ではないです。仕事がある限り仕事に集中しますが、仕事の合間にバスケのことを考えることは事実です。そのくらいなら、いいんじゃありませんか?アメリカ人ってやっぱり怠け者なのかな?

ちなみに、ビッグダンスの結果を予想することは、人気のあるギャンブルです。私はお金を賭けませんが、毎年やっています。見慣れない大学の名前が多いかと思うのですが、やってみたい方はこちらへどうぞ。3週間後に結果を発表します。

2008年3月13日木曜日

三月狂乱

桜は日本の春を象徴しますが、アメリカの春は、やはりバスケットボール。三月は、大学連盟のトーナメントも全国優勝トーナメントもあり、バスケのファンは三月中、わくわくしています。

アメリカを代表するスポーツとして、アメフトも野球もありますが、やはり大学バスケットボールがアメリカのスポーツ世界のベストだと私は思います。何故かといいますと、理由はいくつもあります。

1.プレーの流れがはやいので、観客退屈することはまずない。
2.選手が上手く協力し、点を入れる様子には詩的な美しさがあると言っても過言ではない
3.チームは五人なので、選手の個性がはっきりと伝わってくる。
4.簡単なゲームなのに、色々な戦略があり、各チームに独特なスタイルがある。
5.優勝するのに努力と技術と運動能力は等しく必要なので、スポーツとしてバランスが取れている。
6.大学レベルだと、選手は給料を狙っていないので、プロスポーツよりピュアな感じがする。

「三月狂乱」は英語の "March Madness" の直訳ですが、それは大学バスケの全国優勝トーナメントの俗名です。次回はそのトーナメントの仕組みとその社会的且つ経済的な影響について述べましょう。

2008年3月10日月曜日

桜に雪

我が家の庭に桜の木は三本あります。夏に引っ越してきたので、最初は気づいていなかったけれど、あ、これは桜なんじゃない?と分かった時、その三本の桜は良い兆しのように思えました。

と言っても、家の桜は運があまりよくないようです。この地域では、二月と三月は気温の上下が激しく、「桜ちゃん、そろそろ咲いてもいいよ~♪」と誘ってくる春らしい日は、あっという間に「桜のやつ、凍らしてやるぞ」と意地悪な冬将軍に逆戻りしてしまうのです。それで、去年も一昨年も、桜は霜にやられてしまい、花を殆ど咲かせませんでした。

今年もそうなりそうでしたので、雪が降ってくる前に写真を撮っておきました。日本で桜の花を見たことのない私ですから、我が家の桜を大切にしたいものです。

2008年3月5日水曜日

こっそり文章

私の職業には一年間のリズムがあり、年の前半は割と時間の余裕ができます。そして、今年は更にスケジュールを空けて、仕事の合間に日本語で文章を書いています。

なぜならば、ブログというジャンルに合わなさそうな内容を書き留めたいからです。例えば、このブログでもそうですが、私はよく「どうして日本語に興味を持ったんですか」というようなことを聞かれます。この単純な質問に答えるのは容易ではなく、聞かれる度に、「ふむ、どうしてだったっけ?」と自問してしまいます。勿論、理由はこれとこれだ、と簡単にまとめることは出来なくはないけれど、結局のところ、「どうして20年間勉強してきたの?」という問いは、「あなたの性格を説明してちょうだい」ということになります。

この話題は、とぼとぼ日本語のテーマに一致していますが、規模はちょっと合わないような気がします。ブログは気軽に書けるような、日常的な生活の断片をネタにすることが普通ですが、これから書きたいのは、もっと長くて、統一したテーマに焦点を合わせた文章です。(といっても、ブログにはブログなりの面白みがあり、とぼとぼ日本語を止めるつもりはありません。)

自分のいいところなのか、悪いところなのか、よく解りませんが、私は一旦活動を始めれば、とことんやっちまえ!という気持ちになってしまいます。そして、この文章の場合も、やるんだったら、ちゃんとした文章を書こうという熱意が湧いてきました。それで飛び込みがちな私は、本を書くことを考え付きました。


私の日本語の失敗に気づいている読者様は苦笑するのでしょう。それは当然だと思います。しかし、完璧にできないから、と言ってこの原稿を今の内に書かないのなら、一生やらないことになるのでしょう。私の職業にもリズムがありますが、人生もそうではないでしょうか。その後半に入ろうとしている私には、ゆっくりする余裕はありません。(そんな自分は、「背後から聞こえる音は、迫って来る、時のチャリオット」と詠ったAndrew Marvellの気持ちが解ってきたかもしれません。)

とにかく、思い切って書いています。文章作成に時間をかけていると、とても豊かな気分になります。一つの文に二、三時間をかけることもあります。作成の最中は髪の毛をむしりたくなりますが、とうとう納得できる文が出来上がると、なんとも言えない満足感を味わえます。

念のために言っておきますが、私は自分の人生が素晴らしいものだと思い込んでいません。却って、私はごく平凡な毎日を送っています。しかし、「アメリカで日本語を」という立場には、なんらかの面白みがあるかもしれません。人性と立場の区別は微妙なものですが、この本の質の決め手の一つだと思います。

本の暫定題名は、「日本語アドベンチャー」です。出版社は興味を示すかどうかは分かりませんが、集中的に書いている時の充実感だけでも、書いてみても損はないと思います。第一章と第二章にはまだ訂正が必要だと思いますが、第三章を書き始めたところです。

2008年3月2日日曜日

とぼだけではありませんよ

この間、「日本語で書く外国人」というブログで、とぼとぼ日本語のことを紹介して頂きました。「日本語で書く外国人」を管理するosawaさんという方は、外国人による日本語ブログのリンクを沢山集めています。更新情報も出ていますので、各ブロクの最新投稿が表示されて、とても便利です。

興味のある方は、是非ご覧になってみてくだっさい。

とぼの通信簿(その二)

この間の検定試験結果報告はくどくなりましたが、今回はその続きをもっと簡潔に述べさせて頂きましょう。

まだ信じられないけれど、漢検の準二級に何とか合格しました。三級の時に比べ、そんなに勉強してこなかったし、部首の質問の形式が練習してきたのと違っていたし、受けた時は「こりゃ不合格だなぁ」と思ってしまいした。


そして、結果通知の入った封筒を渡して下さった方は、不思議な笑顔を浮かべていました。それは、「残念だったねぇ、君」といわんばかりの表情か、と思ったら、なんと、たった1%の余裕でセーフでした。勿論嬉しかったが、合格したというより、不合格を何とか避けた、と言った方が正直でしょう。合格証書に、「ぎりぎり」と書き添えようかな、と思っています。


「今度は二級に挑戦してみませんか?」と誘って頂きましたが、二級の内容はうんと難しくなるし、合格基準は、70%から80%に上がるし、合格する見込みは全くありません。後半年でも勉強してから、二級のことを考えてみることにしました。

2008年2月28日木曜日

蟻の侵入:最新情報

25日の投稿に、オフィスに侵入してきた蟻の話をしました。しかし、不思議なことに、その翌日の26日から蟻を一匹も見ていません。このタイミングはかなり怪しいと思いませんか?まるで蟻どもは私のブログを読んで、気を悪くして帰ってしまったようです。そんなことは先ずあり得ないのですが、「もしかして、巣で新しい戦略でも練っているんじゃないかな」という疑いを禁じえません。

実は、ビルの管理人は殺虫剤をまいたに違いありませんが、それでも一抹の不安を覚えてしまいます。蟻が生きていられないオフィスに私は生きていられるのでしょうか。

とぼの通信簿

この間の投稿で発表しましたが、去年の秋から検定試験を三つ受けてきました。鉛筆を削っておいて、解答用紙を前にするのは久しぶりだったので、学生時代に戻ったような錯覚まで覚えてしまいました。さて、とぼの検定試験の結果はどうだったのでしょうか。このブログを応援してくださっている方々へ報告しましょう。

最初に受けたのは、10月の漢検三級でした。この試験のことを知ってはいたけれど、アメリカで受けられると思ってもみなかった。ところが、そのチャンスは突然訪れたので、受けてみることにしました。問題集とニンテンドウDSを使って勉強しておいたけれども、試験の会場で「字の留めや払いに気をつけて書いて下さい」と言われた時、そういう細部をあまり意識していない私は、焦ってしまいました。しかし、殆どの問題欄を埋めることはできたので、内容はまま大丈夫かな?と思いました。そして、結果が戻ってきたら、私の字は問題にされなかったようで、合格しました。

次は12月の日本語能力試験一級でした。アメリカで日本語を勉強した人なら、この試験のことを知っているもので、ずっと前から、こいつと対決する日がくるんだろうが、勝負はいつだ!という思いを胸に秘めながら、日本語の勉強を続けてきたわけです。恥をかきたくなかったので、しっかりと準備をしておくつもりでした。そして、読み書きのところは難しいけれど、聴解は楽だ、との噂を聞いていたので、文字・語彙の問題集と文法の問題集を中心に勉強してきました。が、試験の一ヶ月前に模擬試験をやってみたら、なんと、聴解の点を半分も落としてしまいました!それで心配していたけれど、仕事が忙しい時期でどうしようもありませんでした。

試験は12月の初めにアトランタにある大学で実施されました。最初の一時間は文字・語彙でこれは悪くありませんでした。しかし、その次の聴解はやはりダメだと思いました。質問は長いし、肝心なところはいつ出てくるか分からないので困りました。(私は直ぐに連想する性質なので、質問の途中で全く関係ないことを考えてしまって、回答の選択肢が出てくる時に、あ、やばい!と我に返ることもありました。)聴解は試験の25%だけですが、得点が悪ければ、合格水準の70%に達するのは難しいです。そして、模擬試験に比べ、今回の方は出来が悪かったんだろうな、と思ってしまいました。

それで少々暗い気分になっていたが、最後の読解・文法のところは割りとスムーズでした。最初のエッセイはあまりにもユーモラスなので、噴出しそうになってしまったが、何とかその気持ちを抑えて問題に取り掛かることができました。読解の問題のなかにグラフを解釈する問題が必ず一つあって、こういうのは英語でも落ちそうなので、それを最後までとっておいて、ゆっくりと解いてから鉛筆を置きました。ちらっと部屋を見回すと、終わったのは私だけだったので、時計をみると、まだ20分が残っていました。難しい問題に戻り、自分の回答をチェックすべきだけれど・・・どうも頭が回らなくなっちゃったようで、20分ぽかんと座っていただけでした。

さすが、難しい試験でしたが、結果発表を待つのも一苦労でした。しかし、この間届いた封筒から、その知らせが出てきました。聴解の得点はやはり一番低かったけれど、それでも80%でした。そして総合点を見たら、ほっと安心の一息をもらしました。

今日の話は長くなってしまいましたので、その続きを次回までとっておきましょう。

2008年2月25日月曜日

蟻に襲われています。

毎年、二月になると、私のオフィスに蟻が現れるようになります。この地域に紅火蟻(アカヒアリ)という実に危険な種類も最近侵入してきていますが、オフィスにやってくるのは、ごく普通の小さくて茶色い蟻です。このチビ外来者は人間を刺さないけれど、いろいろなところで這い回り、人の邪魔をしょっちゅうしています。

今年の冬は暖かい方で、蟻の襲撃は例年の何倍か、という凄まじい規模まで拡大しています。拡大しているといっても、それはいっぺんで大量で出てくるのではなく、一匹ずつ次から次へ、とどこかから現れるのです。言わば、ビルの地下に蟻の無尽蔵があるような感じです。私は虫と接触することが特に嫌だと思わないが、机上や電話やキーボードを這う蟻どもを眺めていると、「君たち、これはちょっとやりすぎじゃないか?」と思わずにいられなくなります。実際に声をかけてみたりしていますが、彼らは一切返事してくれません。

蟻の侵入でこれという不自由はないけれども、誰かと会話していて、蟻が自分の手を歩いていることに気づくと、どうすればいいのかがよく解りません。こういう場合は、「あ、また蟻ですねぇ」と微笑みながらそっと払い落としても礼儀違反なのでしょうか。それとも、どこまで這っても、蟻の存在を認めないのが正解かもしれないが、蟻は顔の辺りに近付いてくれば、この無視ポリシーを貫くのは難しそうです。

蟻に関する行儀はどうであれ、私のマグカップを立ち入り禁止ゾーンにしたいですね。

2008年2月22日金曜日

検定試験地獄脱出

去年の秋からついこの間まで、検定試験は私の日本語勉強の中心となっていました。十月に漢字検定試験三級、十二月に日本語能力試験一級、一月に漢字検定試験準二級でした。

これらの試験に挑戦してよかったと思っています。そうしなければ、いつもの勉強パターンが続いてしまい、新しい内容を覚えていなかったでしょうね。特に、漢字検定試験には、選択肢問題もあるけれど、漢字を自ら書く問題も多いもので、殆どパソコンでしか日本語を書かない私には、非常にいい勉強でした。(そして、買い物リストにもなるべく日本語を使っています。これは範囲のかなり狭いジャンルではあるが、せめて「豆腐」がやっと書けるようになりました。)


それから、日本語能力試験の為に新しい語彙と文法を勉強しました。全部マスターしたわけでもないけれど、実際に使っているのもあり、この試験の準備は予想していたより役立ったような気がします。


このように、検定試験を受けてみてよかったのですが・・・その勉強に追われていて、本をあまり読まなくなってしまったのが気になりました。そして、本を読もうとしても、何故か小説に手がのびませんでした。どうも、私の心は「創造的モード」から「現実的モード」にでも変わったようであった。


ところが、新年に入ってから、自分は小説に飢えていることに気付きました。それで、山本有三の「路傍の石」を中古で買って読んでみました。鉄橋からぶら下がる吾一君には、検定試験の忘れさせてくれるような真剣さと哀れと勇気がこもっていました。話が途切れたところで大変驚いたけれど、それ程私は山本先生の小説に惹かれたのである。感傷的な作品だと批判したければ、それは否定できないが、それでも私は「路傍の石」にちょっとした救いを感じました。

2008年2月21日木曜日

ご無沙汰しております

前回で予想した三週間は三ヶ月間に長引いてしまいましたね。クリスマスもお正月もバレンタインデーも過ぎてしまいました。このブログを無視してしまいましたが、決して忘れてはいません。正直な話は、とぼとぼ日本語を開いた頃は夏休みだったので、しようと思えば、投稿作成に一日をかけることができました。日本語で長い文章を書くのは初めてだったので、実際にそのぐらいの時間をかけて書いていました。

それで日本語で文章を書く能力が多少身についてきたかもしれないけれど、忙しい毎日の中で長い(そして長いというより、ちょんと磨き上げられた)投稿が気軽に書けるようになった程ではありません。

そして、ブログの質が減るのがもったいないと思っていました。これは、読者様へ申し訳ない気持ちとプライドが相まって、できた気持ちなのでしょう。ブログへの愛着とお粗末な投稿への抵抗感の間に挟まれた挙句、私はサボるようになりました。

気持ちをよく整理した上、ブログを止めようにも止められません。やはり、日本語を書いてコミュニケーションしていないと、孤独に感じてしまうものです。

これから、最近のできごとや考えていることについて簡単にリポートします。そして、この頼りなげなブログを読んで下さる方々に感謝しております。