前回に続きまして、大学バスケのトーナメントを紹介させて頂きます。このトーナメントは「三月狂乱」とも呼ばれていますが、相手が多いことと、誰と組み合わせられるかな、という緊張感がすることから、「ビッグダンス」という名前も流行っています。一昨日、そのビッグダンスへの招待状は配られました。
ビッグダンスには65チームが参加しますが、招待状を得る方法は二つあります。一つは、大学連盟トーナメントで優勝することです。アメリカの大学バスケの最も高いレベルには、連盟は31ほどありますので、それぞれのトーナメントで優勝するチームは自動的にビッグダンスに入ります。残りの34チームは、コミッティーに選ばれ、同じコミッティーは65チームの強さを評価し、1から65まで位置づけます。
会社にしろ、政府にしろ、コミッティーの判断がよく問われるけれども、スポーツになりますとなおさらです。何故かと言いますと、チームを評価する方法が定まっていないからです。今年も、アリゾナ大学は招待されたのに、アリゾナ大学を二回ほど倒したアリゾナステート大学は、魔法使いに助けてもらえないシンデレラのように、寂しく家に残ることになり、「こりゃ不公平だ!」と「ワケがあるんだ!」という論争が続いています。こういう論争を聞いたり、参加したりするのは、三月狂乱の楽しみの一つだと言えます。
65チームは中途半端な数なので、64チームに絞るために、一番弱いとされる二つのチームは今夜試合をします。そして、64チームは4つのグループに分けられ、一番強いチームは1シードとなり、一番弱いのは16シードになります。シードの与え方にも論争が盛んになりますが、それにも関わらず木曜日から狂乱が開始され、多くのアメリカ人はテレビに飛び付くのです。木曜、金曜に開かれる32の試合で、64チームが32に絞られ、土曜、日曜に開かれる16の試合で「スウィートシックスティーン」と呼ばれる最後の16が決められます。
試合は正午から零時までテレビで流れ、こんな大きな数だと、驚きの結果が毎年出てきます。そして、有名大学を倒し、スウィートシックスティーンまで生き残るチビ大学は全国の関心と応援を集めます。今年の狂乱はどうなるのか、と夢中になる会社員は、欠勤することも多いけれど、出勤しても、仕事をせずに同僚とバスケの話をしたり、コンピューターで試合の様子を見たりすることがよくあります。実は、アメリカの経済はもう既に悪くなっていますが、3月バスケに夢中になる社員は、更に17億ドルほどの被害を及ぼすと思われるのです。生産性が低くなるのは事実だと思いますが、こういう数字を出す研究者はピザ配達の売り上げ向上を忘れているのではないか、と私は疑っています。
そして、来週同じようなスケジュールで16チームが「ファイナル・フォー」という4つになり、再来週の二つの試合で全国優勝するチームが決定されます。三週間に渡るこのトーナメントは、アメリカのスポーツの頂点だと、私は思っています。日本の高校野球に似ているところがあるかもしれません。
なんですって?とぼは仕事をサボりますか?いや、そういう人間ではないです。仕事がある限り仕事に集中しますが、仕事の合間にバスケのことを考えることは事実です。そのくらいなら、いいんじゃありませんか?アメリカ人ってやっぱり怠け者なのかな?
ちなみに、ビッグダンスの結果を予想することは、人気のあるギャンブルです。私はお金を賭けませんが、毎年やっています。見慣れない大学の名前が多いかと思うのですが、やってみたい方はこちらへどうぞ。3週間後に結果を発表します。
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前回に続きまして、大学バスケのトーナメントを紹介させて頂きます。このトーナメントは「三月狂乱」とも呼ばれていますが、相手が多いことと、誰と組み合わせられるかな、という緊張感があることから、「ビッグダンス」という名前もよく聞きます。一昨日、そのビッグダンスへの招待状が配られました。
ビッグダンスには65チームが参加しますが、招待状を得る方法は二つあります。一つは、大学連盟トーナメントで優勝することです。アメリカの大学バスケの最も高いレベルには、連盟が31もありますので、それぞれのトーナメントで優勝したチームは自動的にビッグダンスに入ります。残りの34チームは、コミッティーに選ばれ、そのコミッティーは65チームの強さを評価し、1から65まで位置づけます。
会社にしろ、政府にしろ、コミッティーの判断がよく問われるけれども、スポーツになりますとなおさらです。何故かと言いますと、チームを評価する方法が定まっていないからです。今年も、アリゾナ大学は招待されたのに、アリゾナ大学を二回ほど破ったアリゾナステート大学は、魔法使いに助けてもらえないシンデレラのように、寂しく家に残ることになり、「こりゃ不公平だ!」とか「ワケがあるんだ!」などという論争が続いています。こういう論争を聞いたり、参加したりするのも、三月狂乱の楽しみの一つだと言えます。
65チームというのは中途半端な数なので、64チームに絞るために、一番弱いとされる二つのチームが今夜試合をします。そして、64チームは4つのグループに分けられ、一番強いチームは第1シードとなり、一番弱いのは第16シードになります。シードの振り分け方でも論争が盛んになりますが、それにも関わらず木曜日から狂乱が開始され、多くのアメリカ人はテレビに飛び付くのです。木曜、金曜に開かれる32の試合で、64チームが32に絞られ、土曜、日曜に開かれる16の試合で「スウィートシックスティーン」と呼ばれる最後の16チームが決められます。
試合は正午から零時までテレビで流れ、こんな大きな数だと、驚きの結果が毎年出てきます。そして、有名大学を倒し、スウィートシックスティーンまで生き残るチビ大学は全国の関心と応援を集めます。今年の狂乱はどうなるのか、と夢中になる会社員は、欠勤することも多いけれど、出勤しても、仕事をせずに同僚とバスケの話をしたり、コンピューターで試合の様子を見たりすることがよくあります。実は、アメリカの経済はもう既に悪くなっていますが、3月バスケに夢中になる社員は、更に17億ドルほどの被害を及ぼすと思われるのです。生産性が低くなるのは事実だと思いますが、こういう数字を出す研究者はピザ配達の売り上げ向上を忘れているのではないか、と私は疑っています。
そして、来週同じようなスケジュールで16チームが「ファイナル・フォー」という4つになり、再来週の二つの試合で全国優勝するチームが決定されます。三週間に渡るこのトーナメントは、アメリカのスポーツの頂点だと、私は思っています。日本の高校野球に似ているところがあるかもしれません。
なんですって?とぼは仕事をサボりますか?いや、そういう人間ではないです。仕事がある限り仕事に集中しますが、仕事の合間にバスケのことを考えることは事実です。そのくらいなら、いいんじゃありませんか?アメリカ人ってやっぱり怠け者なのかな?
ちなみに、ビッグダンスの結果を予想することは、人気のあるギャンブルです。私はお金を賭けませんが、毎年やっています。見慣れない大学の名前が多いかと思うのですが、やってみたい方はこちらへどうぞ。3週間後に結果を発表します。
4 件のコメント:
とぼさん、こんにちは。
各大学連盟のトーナメントで優勝した31チーム以外はコミッティーが選ぶのに、わざわざ総数を65にして、後から1チーム減らす特別な事情があるんでしょうか?
魔法使いに助けてもらえないシンデレラも気の毒ですが、せっかくダンスホールまで行ったのにパートナーが見つからなかった人もちょっとかわいそうですね。
osawaさん、こんにちは。コメントをありがとうございます。
そうそう、64にした方がよさそうですよね。数年前まではその数だったけれども、大学連盟が新しくできた時に、その自動的選択が一つで増えたので、64を保つために、コミッティーに選択されるチームの数を一つで減らさなくてはいけなかったんです。そんなことは絶対いやだよ、と騒いだ大学が沢山あったので、数を65にし、ランキングの最も低い二つのチームがもう一つの試合(英語でplay-in gameという)をする形になりました。(騒いだ大学は、トーナメントに入れるか入れないかという危うい立場によくある大学だという見当がつくのでしょう。)
この新しい仕組みは、トーナメントのバランスを崩しているかもしれませんが、トーナメントを拡大しようという運動が続いています。92チームにしようという人もいますが、全国優勝トーナメントの他にも、もう一つの「全国残念賞」というようなトーナメントはあるので、これ以上拡大する必要はないだろうと私は思います。
宅配ピザを食べながらテレビでバスケの試合を見るのって、なんだかテレビに出てくるアメリカ生活の一場面という感じがします。
とはいえ、日本も近頃はそんな場面が徐々に普通になりつつあるようですが。
こぢんまりさん、コメントをありがとうございます。
確かにそうですね。アメリカ文化では、スポーツとピザは親密な関係にあると思います。残念ながら、家内はこの伝統を守りたがらないので、三月狂乱の最中でも、うちのものはみんな食卓を囲いながら、いつものような食事をします。でも、いつもと違ってテレビをつけておくことが許されるので、試合を観ることができます。
人生に妥協はつきものですよね。
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